技術・モノづくり

お客様目線で技術を磨き、
先進技術をみんなのものに

スマートアシストと自動運転、 それぞれの最前線から

K.Y:
私は現在、ソフトウェア開発部のASV開発室に所属していまして、主に「スマートアシスト(スマアシ)」のうち、衝突回避支援ブレーキの開発を担当しています。ブレーキが必要な危険な場面で、しっかり作動するように、設計や検証、そして車種ごとの展開まで、一連の業務に携わっています。

T.S:
私はもともと、K.Yさんと同じASV開発室にいましたが、今は自動運転企画室で次世代スマアシや自動運転技術の先行開発をしています。お客様が日常的に必要とする機能って何だろうと常に考えながら企画に取り組んでいます。

お客様の「使い方」から生まれる技術

K.Y:
衝突回避支援ブレーキは、お客様が万が一の状況に遭遇した時、被害を最小限に抑えるための機能です。ただ単にブレーキをかければいいというわけではなくて、どのタイミングで、どんな状況で作動するべきかを、お客様目線で考える必要があります。昼夜の時間帯や天候、道路環境といった条件はもちろん、日本国内だけではなく、海外での使用実態も含めて、さまざまなシーンを想定して開発しています。例えば、インドネシアでは車間距離が日本よりもかなり短くて、運転の仕方も急なハンドル操作やブレーキが多いため、日本と同じ感覚で機能を組み込むと、「ちょっとお節介すぎるな」と思われてしまう。だからこそ、現地で実際に走って、文化や運転習慣に合わせたチューニングをきちんと行うようにしています。こういった調整が、「本当に使える機能」につながっていくのだと思っています。

T.S:
自動運転企画室でも、同じく「ダイハツらしい使い勝手」というのをすごく意識して日々取り組んでいます。高速道路をバリバリ走るような使い方よりも、日常的に一般道を使う軽自動車ユーザーにとって、本当に必要とされるのはどんな機能か、ということを軸に考えるようにしています。ただ先進的な技術を取り入れるのではなくて、「これがあると便利だな」「ちょうどいいな」と思っていただけるような機能ですね。そういうヒントを得るために、いろいろな展示会に足を運んだり、高齢者の方の運転行動に関する研究発表を聴いたりしています。また、他社の動向や各国の法規制の流れもチェックしつつ、お客様のことを想像しながら、「今後必要になる機能ってなんだろう?」と考え続けています。

小さなセンサーに、大きな価値を込めて

K.Y:
私の考えるDNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャ)の思想である「小型・低コスト・高機能」を実現するために、ステレオカメラ1つで複数のスマアシ機能を制御しています。カメラって、車のフロントガラスに付いているんですけど、それ1つで、歩行者の認識やブレーキの制御、車線維持などもできるように設計しています。限られた車両スペースの中で、いかに効率よく必要な機能を実現するかというのは、まさにダイハツの腕の見せどころなんですよね。そのために、カメラだけでなくブレーキやエンジン制御ECUなど、さまざまな部品との横断的な連携が求められる構造になっているんです。

T.S :

スマアシのように複数機能を1つの部品で制御する仕組みをつくるには、まさに組織間の連携が不可欠です。機能ごとに担当が分かれている中で、それらを横並びで見て調整する人がちゃんといて、各チームと密に連携して進める体制になっています。部門間でも定期的に情報を共有して、お互いの状況を理解しながら動けるようにしていて、私たちは人数が少ない分、機動力があって、日々のコミュニケーションの密度とか、フットワークの軽さというのはすごく大事だし、それができることが強みだと思っています。

お客様目線から生まれた成果と挑戦

K.Y:
これまでで印象に残っている開発は、「急アクセル時加速抑制装置」の開発です。高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故を少しでも減らしたいという思いでスタートしました。ただ、この機能は、お客様が本当に加速したいときと、うっかり踏み間違えたときの見極めがすごく難しい。例えば、信号が青に変わって「さぁ出発しよう」という場面ではちゃんと加速してほしいし、駐車場で急にアクセルを踏んでしまうような場面では、ちゃんと抑制してあげたい。その違いをどう判断するかを、アクセルの踏み方、シフト操作、ブレーキ操作など、お客様の操作全体から総合的に読み取るような工夫を重ねました。また、スマアシを導入した車に乗っていたお客様から「事故を防げました」というお声をいただいたときには、本当にうれしかったですね。ちゃんとお客様の役に立てたんだなと、心からこの仕事をしてよかったと思えた瞬間でした。

T.S:
私も、「先行車発進お知らせ」の開発で、通知のタイミングを3段階で調整できるようにしたことがありました。最初は「反応が遅い」といった声もあって、お客様の感覚に合わせられるように改良を重ねました。その後、後方誤発進抑制装置の開発にも関わって、初めてソナーを使った制御や工場での組付けに挑戦したのも、すごく大きな経験でした。それまでソナーに関する知識はほとんどなかったのですが、ゼロから勉強して、どうすれば精度よく制御できるか、工場ではどう組付けすべきかを現場の方と何度も話し合いながら進めました。もちろん、どんなに丁寧につくっても、お客様による予想外の使い方があって、「あ、ここまでは想定できていなかったな」と反省することもあります。でも、そういった声や失敗をちゃんと受け止めて、次の開発に活かす。それが、私たちの仕事の大事なプロセスだと思っています。

安全・安心、 そして「買ってよかった」と思える商品を

K.Y:
私はこれからも、お客様が安心して車に乗っていただけるよう、安全性に寄り添った機能開発を進めていきたいです。お客様の目線を忘れず、現場から価値を届けていければと思います。

T.S:
私も、お客様が「この機能がついていてよかった」「この車を選んで正解だった」と思えるようなものを、タイムリーに届けていきたいですね。

サステナビリティの取組み

サステナビリティトップメッセージ

ダイハツのサステナビリティ

サステナビリティストーリーズ

経営トップが描くダイハツの未来

基盤強化

気候変動への対応1

気候変動への対応2

技術・モノづくり

新興国の発展

コトづくり

環境

社会

ガバナンス

レポート