ダイハツの原点
原点は日本の未来 －エンジン国産化－ への思い
はじまりは国産第1号の吸入ガス発動機
日本の産業革命が佳境に入ろうとしていた1907（明治40）年、「発動機製造株式会社」として大阪で創業。「日本の真の工業化には発動機（エンジン）の国産化と普及が不可欠、日本の産業に貢献しよう」との信念に基づき、官立大阪高等工業学校（現・大阪大学工学部）校⾧の安永義章博士ら学者たちや、その考えに共感した実業家たちが設立を計画しました。
しかし当時の内燃機関は輸入品による実物はあったものの、設計図や文献はなく技術者は連日連夜研究を重ねて幾多の困難に立ち向います。
そして1907年出力6馬力の国産第1号の吸入ガス発動機が完成。
この学者や技術者たちの熱い想いは、現在のダイハツの礎（いしずえ）となっています。
歴史ある自動車メーカー
ダイハツは、現在自動車を生産する日本のメーカーで最も古い歴史を持つ会社です
エンジンメーカーから自動車メーカーへ
昭和前期、世界恐慌による混乱の中、工場や物流会社などでは三輪自動車(オート三輪)の需要が高まっていました。
しかし、そのエンジンは輸入によるもの。そこで、創業期と同様に、この分野でも国産化を目指し、空冷４サイクルガソリンエンジンを新たに開発。さらに、このエンジンを搭載した小型三輪自動車「ダイハツ号」が完成しました。
このクルマこそが、近代化された工場で、日本製部品のみで作られた最初の製品であり、自動車メーカーダイハツの第一歩なのです。
「ダイハツ」は元々愛称
ダイハツの由来は「大阪にある発動機製造会社」の略称としてお客様からダイハツと呼ばれていたことに始まります
お客様の声から誕生した「ミゼット」
戦後、急速な普及が進んだ三輪自動車(オート三輪)は大型化し四輪トラックへとシフトしていきました。
このような状況の中、ダイハツは当時まだ一般的でなかった市場調査を実施しました。
「最近のオート三輪は、積載量は多いが価格も高いし大きすぎる、ただオートバイでは積載量が足りない。」というお客様の声を反映し、開発したのが、1957年発売の軽三輪トラック「ミゼット」です。
「小回りが利いて、取り扱いに便利、かつ経済的」をコンセプトとした「ミゼット」は狭い路地でも運転しやすいと小口配送業者や商店の方々を中心に爆発的なヒット商品となりました。
ミゼットの誕生は、当時まだ高級品だった自動車が、「一家に一台」という身近な存在へ変わるきっかけとなりました。
お客様に寄り添うという想いは、ダイハツのモノづくりの礎として現在まで受け継がれています
開発秘話
ダイハツは、積極的に販売会社の意見も取り入れました。1956年夏のある雨の夜、大阪梅田を歩いていた販売会社の社長は、ビールを積んだスクーターが横転しすべてのビール瓶が割れるという光景を目撃。こんなとき、幌付きの三輪スクーターがあったら、これほどの損害にはならなかったのでは…。
この発想は直ちにダイハツに伝えられ、さっそくミゼットの開発に活かされました。
