自動車産業は、国内を含む先進国市場の成熟化と新興国市場の拡大を背景に、国際競争の一層の激化や環境関連規制の強化、国を超えた提携や再編など、厳しいビジネス環境にさらされています。そのような中、ダイハツらしい商品・サービスを生み出し、社会になくてはならない企業となるべく、「機会均等」と「実力主義」を基本理念とした人事制度を導入しています。実力・意欲のある人が「いつでも、誰でも、公平にチャレンジできる」機会均等と、職種・学歴・年齢などに関係なく「成果をあげた人に報いる」実力主義の人事制度のもと、一人ひとりが自ら考え、行動できる人材の育成を図っています。さらに、会社方針の最重要テーマである「幸せに働ける職場・風土づくり」に向けて、「職場づくり活動」も推進しています。
役員・管理職全員を対象に、心理的安全性研修、OC(思いやりコミュニケーション)研修を実施しています。受講を通して、「幸せに働ける職場、風土づくり」のベースとなる心理的安全性のある職場環境づくり、そして具体的な活動を実践するためのコーチングや1on1ミーティング※の知識やスキルをマネジメントに携わる社員全員が習得することを目指しています。
※ メンバーの成長を支援するための1対1の定期的な短時間での対話
ダイハツの従業員の業務における役割・テーマは、会社方針から部・室方針に引き継ぎ、それに基づく個人目標として設定しています。一人ひとりが安心してチャレンジし成長し続けることを目指し、上司と部下のコミュニケーションをベースに、人事サイクル(成長のロードマップ策定→役割の明確化→業務を通じて育成→振り返り)を回すことで成長を支援します。
具体的には、年度初めに上司と部下が十分に話し合い、認識をすり合わせたうえで期待役割などを設定します。そして、期末にその期待役割に対する能力発揮状況を上司と部下がともに振り返り、次の期間に向けてどのような考動をして何を伸ばしていくかを考えます。このようなコミュニケーションを通じて、個々人の成長を促進しています。
ダイハツが描くビジョンの実現に向けて、必要な資質や能力を持つ人材を国籍や性別、障がいの有無などにかかわらず、公平・公正に採用しています。「自分に限界をつくらず、志を実現するまで立ち向かえること」「あらゆる可能性を求め、枠を超えてさまざまなことに取り組めること」「多様なニーズに応えるため、世界のどこでも活躍できること」を求める人物像に掲げ、そうした姿勢を備えた人材の採用に注力しています。
2024年、今後の事業を支える人材を確保するためには、エンゲージメントが高く従業員の多様な考え方・経験を活かすことができる組織づくりが不可欠であるという認識に基づき、トヨタグループビジョンにつながる企業理念として、使命と5つの心得をまとめ、従業員一人ひとりの指針を更新しました。
「人」を中心にした笑顔のある会社を目指す姿として、今後も制度の見直しや教育施策の改善を段階的・継続的に進めていきます。
【ステップ 1】
マネジメント・メンバー全員が自己表現できる(個性を受容する風土)
【ステップ 2】
一人ひとりが役割と責任を持ち、能力が発揮できている
新入社員から中堅、管理職に至るまで、階層別に求められる専門知識や問題解決能力、マネジメント能力などを習得する研修体系を整備しています。企業階層別研修(すべての社員が目指すべき従業員像の実現に向け、普遍的な価値観や心構え、基本となるスキルを継続して学ぶ研修)、役割別研修(ダイハツのマネジメントが役割を果たすために必要な心構え、知識、スキルを学ぶ研修)、選択型研修(従業員一人ひとりが自身のキャリアプラン実現や自業務の問題解決に必要なスキルを必要な時に学ぶ研修)を通じて従業員一人ひとりのキャリアアップを支援するとともに、自己啓発としてビジネススキルや語学などの外部研修を受講できる制度も設けています。
そのほか、将来、海外事業を牽引できる人材の育成を目的とした、海外トレーニー制度などの選抜型カリキュラムも用意しています。
対象者 (階層) |
受講者数 (人) |
総工数 (日/人) |
研修内容 |
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新入社員 | 135 | 20 | 導入研修 |
新任中堅級 | 223 | 3 | 役割認識、メンバーへの働きかけ コンプライアンス、価値観・ コミュニケーション、問題解決 |
新任係長級 | 173 | 3 | 役割認識、人材育成 管理者教育、コンプライアンス 価値観・コミュニケーション |
新任課長級 | 116 | 2 | 役割認識、管理者教育 組織マネジメント、コンプライアンス 価値観・コミュニケーション |
新任次長級 | 40 | 1.2 | 組織マネジメント 価値観・コミュニケーション |
<対象範囲>ダイハツ工業単体