2005年1月より本格施工となった「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」により、自動車メーカーは、使用済自動車から発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類※を引き取ってリサイクルする役割を担います。ダイハツ工業では自動車リサイクル法の仕組みづくりに、積極的に参加、協力するとともに、定着化、リサイクル率の向上に向けた活動を関係事業者と協力して行っています。また、リサイクルについても環境負荷の少ない車両の開発に取り組んでいます。
※ フロン類は破壊します
※ ASR:Automobile Shredder Residue(自動車破砕残さ)
エアバッグ類、フロン類については、共通引取り窓口機能として設立された一般社団法人自動車再資源化協力機構を通じて、効率的な引取り、リサイクル(フロン類については破壊)を実施します。シュレッダーダストについては、豊通リサイクル株式会社ASR再資源化事業部の設立に参加し、トヨタ自動車株式会社、本田技研工業株式会社、日野自動車株式会社と共同で、引取り、リサイクルを実施しています。
※ エアバッグ類、フロン類、シュレッダーダスト
エアバッグ類を取り外すことなく、容易に車載状態で作動処理させるため、エアバッグ類一括作動処理コネクターを全車に搭載しています。エアバッグ類の安全、容易な解体、作動方法を示した「エアバッグ類適正処理マニュアル」を、登録解体業者向けに冊子およびWebにより公開しています。
カーエアコンの冷媒として使用するフロン類については、1994年より特定フロン(CFC)の使用を全廃し、代替フロン(HFC)へ切り替えています。さらにすべての乗用車においては新冷媒HF0-1234yfを採用しました。また、トップレベルの300g/台以下の充填量を一部車種では達成しています。
■カーエアコン用フロン類の特徴
リサイクル性の良いポリプロピレンやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂の優先使用や、解体性、分離性の良い設計に取り組んでいます。大型部品については、解体作業が容易にできるポイントを明示する解体性向上マークを採用しています。銅部品を除去した廃車ガラを電炉等で直接リサイクルする「全部再資源化」を促進するため、銅部品(ワイヤーハーネス、モーター類)の取外し要領を、全部再資源化を実施するコンソーシアムに提供しています。
(1)自動車リサイクル法の要件を遵守しながら、車名別のリサイクル料金、再資源化等の実施状況を公表し、効率的なリサイクルの実現とリサイクル率の向上に努めています。
■自動車リサイクル法に基づく2020年度使用済自動車の再資源化などの実績
自動車リサイクル処理業者へは、回収料金・運搬費用・引取基準・引取場所の情報を提供するとともに、ハイブリッド車用駆動用バッテリー・CNG(圧縮天然ガス)車用ガス容器などを安全に処理していただけるように作業要領マニュアルを情報提供しています。
今後も自動車リサイクル法を遵守した使用済自動車の安定的な処理を推進すると共に、リサイクル技術の高度化や、将来の電動車の普及に備えたスキーム構築などを、他自動車メーカーおよび関係事業者と進めていきます。
≪主な取組み項目≫
1)シュレッダーダスト選別技術の高度化によるマテリアルリサイクル拡大
2)ハイブリット車や電動車に搭載されるバッテリーの適正処理に向けた活動および、リユース・リビルドに向けたスキーム構築の推進
3)海外生産拠点へ日本の自動車リサイクル技術を展開
4)フロン類の確実な切替(フロン モントリオール議定書・フロン抑制法への対応)
■修理交換済みバンパーの回収本数推移