2004年11月11日
ダイハツ工業株式会社
ダイハツ工業株式会社(以下ダイハツ)は、軽自動車で初めて「歩行者頭部保護基準」の認可を取得した。
交通事故による死者数は近年減少傾向にあるが、依然として歩行者事故の死者数はその3割を占めている。特に、頭部損傷による死亡がその過半数を占めていることから、国土交通省では乗用車と一部の貨物車を対象に「歩行者頭部保護基準」を新たに導入。これはボンネットの衝撃緩和性能を規定するもので、平成17 年9月1日から順次適用する。
ダイハツは歩行者との事故を想定し、ダミーなどを用いて先行開発を進めてきた。頭部への衝撃を小さくするため、ボンネットの剛性や内側の骨組みを最適化。難度の高いボンネットのヒンジ※1部分については、ヒンジの中心からの距離を確保して衝撃を緩和させる構造とした。さらに、車体の骨組みの主要部材であるカウル※2の構造の変更などで、今回の軽自動車初の認可を取得した。今後は順次、本技術の採用を拡大していく。
※1 ヒンジ ・・・ 開閉のための金具
※2 カウル ・・・ フロントガラスとボンネットの境目にある車体前方パネル
<ご参考>
国土交通省と自動車事故対策機構は、安全な自動車の普及を促進するために、市販車の安全性能を試験し評価結果を毎年公表している。この「自動車アセスメント」では、平成15年度から歩行者頭部保護性能試験を開始。同試験は5段階で評価され、ダイハツ「ミラ」はレベル3を取得した(2004年4月公表)。試験対象となった18車種中でレベル3の評価を受けたのは5台、このうち軽自動車はミラのみ。なお、レベル4および5の該当車はなかった。