ダイハツグループは国内に4拠点(池田・滋賀・京都・大分)、ならびに海外に2か国(インドネシア・マレーシア)に、生産工場※1を持っています。
国内の工場で主に生産している軽自動車をつくる上で欠かせないこと、それは、良い商品をお求めやすい価格でお客様にお届けするために高品質とコストダウンを実現させることです。
これらを実現させるための鍵となるのが、ダイハツ独自のコンセプトである『SSC(シンプル・スリム・コンパクト)』です。
「小さなクルマをつくるのに、大きなクルマをつくる工場と同じ大きさでいいのか・・・」との疑問から、クルマをつくることだけでなく、クルマをつくる工場にも力を注ぎました。
※1:車両組立工場
2007年に稼動したダイハツ九州(DKC)大分中津第二工場は、工場面積を従来の1/2にするなど設備の簡素化や作業の集約化を図り、SSCを本格的に導入しました。
クルマをつくる材料だけではなく、クルマをつくる工場や設備においても『省資源』であるべきだと考えました。
また、工場がコンパクトになったことで、そこで働くスタッフにも変化がありました。隣の作業場の様子が見えることで、日本人ならではの助け合い精神が芽生え、それらが不具合を減らし質の高いものづくりの風土が生まれました。
『お客様に一番近いダイハツ』を求めた結果、このようにダイハツの生産技術のコンセプトが生まれ、2010年発売の「ミライース」で高品質かつ、お求めやすいクルマをお届けすることを実現しました。
軽自動車の生産で培ったノウハウを現地最適化し、海外へも展開しました。
国内の工場設備を海外にも同じように造ることは出来ますが、私たちは設備だけではなく、そこで働く人たちのものづくりの考え方も展開することが重要であると考えました。
マレーシアのプロドゥア・グローバル・マニュファクチャリングの立上げにあたり、現地のスタッフを日本に迎えダイハツ九州にて研修を行いました。技術だけでなく、日本の文化などを伝え、日本でのものづくり風土を学んだことで、母国に戻ってからも高い意識を持ったクルマづくりに活かされています。
人も工場もダイハツ流。これがダイハツの強みです。
今後も新興国での厳しい市場競争においても高品質・低価格なクルマをお客様にお届けし、自動車産業の発展に貢献していくことが役割だと考えています。
本社池田工場に「コペンファクトリー」があります。
この工場は他工場とは違い、ショールームのようなつくりで、一般の方の見学はもちろん、コペンを購入予約したお客様は、自分のクルマがつくられる工程を見ることができます。
クルマに乗ることだけでなく、つくられる工程を見ていただくことで、ダイハツのクルマにより親しみを感じてもらいたいと考えました。
このコペンファクトリーでは、ダイハツで初めて3次元カメラを導入するなど最新技術で品質を確保している一方、手作業で行う工程では各職場から選ばれたスタッフが1台1台、心を込めてコペンをつくりあげています。
その様子をお客様に見ていただくことで、スタッフには良い緊張感が生まれ、「この工場も、コペンというブランドを構成する要素のひとつ」という誇りを持って取り組むことが出来ます。
お客様へ良い商品をお届けしたいうダイハツの願い、ものづくりの姿勢をコペンファクトリーを通じ、多くのお客様に感じていただきたいと取り組んでいます。