トヨタ、ダイハツ、環境負荷物質を低減する新しい水性塗装技術を共同開発 —揮発性有機化合物とCO2を同時に大幅に低減—

2004年11月04日
ダイハツ工業株式会社

トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)とダイハツ工業(株)(以下、ダイハツ)は、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)とCO2の排出を同時に低減できる、新しい水性塗装技術を関西ペイント(株)と共同で開発した。

VOCから生成される光化学オキシダント、浮遊粒子状物質(SPM)は大気汚染の原因となっているため、すでに欧米の各国ではVOCの排出規制が実施され、日本でもPRTR法(化学物質排出移動量届出制度)の施行、大気汚染防止法の改正などVOCの低減が急務となっている。

これまで自動車の塗装工程においては、VOCについては水性中塗り塗料・水性ベースなどの採用、CO2については塗装乾燥温度の低温化などにより低減を行ってきた。

しかし、従来の塗装技術では両方を同時に低減することは困難であったため、トヨタとダイハツは、2000年より、両方を同時に低減することのできる、新しい水性塗装技術の開発を関西ペイント(株)と共同で行ってきた。

今回開発した新技術は、世界初*の技術である「水性1コートソリッド塗装」と、日本初*の技術となる「水性3ウェットメタリック塗装」の2つである。
この技術を採用した新しい塗装工程においては、従来の塗装工程と比べ、VOCを約70%、CO2を約15%それぞれ同時に低減し、世界トップクラスの低排出量を実現できる見込みである。

なお、これらの技術は、ダイハツの子会社であるダイハツ車体(株)大分(中津)工場(2004年12月稼動予定)で採用する。

*2004年10月現在。トヨタ・ダイハツ調べ

【新しい水性塗装技術の特長】

水性1コートソリッド塗装
ソリッド塗装において、下塗りの後の上塗りを、溶剤系の塗料の代わりに新開発の水性塗料によって行う、世界初の塗装技術である。この技術は、1回の塗装で耐久性・仕上がり品質などの塗膜性能を確保できる新しい水性塗料の開発と、塗装時の湿度を最適に調整するなどの塗装環境の改善により可能となった。
水性3ウェットメタリック塗装
新開発の水性中塗り塗料と溶剤クリアを使用し、水性中塗り塗料・水性ベース・溶剤クリアを塗り重ねた後、一度に乾燥を行う日本初の塗装技術である。これによって、従来行っていた中塗りの後の乾燥が不要となった。この技術は、水性ベースとの混層による仕上がり品質の低下を起こさない、新しい水性中塗り塗料・溶剤クリアの開発と、塗装時の湿度を最適に調整するなどの塗装環境の改善により可能となった。

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