生物多様性の保全の取組み

ダイハツグループでは、地域に根差した生物多様性保全活動を推進し、自然との共生を目指しています。地域における生物多様性の課題についても自治体や住民の方々と連携し、解決に向けた活動を行っています。さらに、環境マインドを醸成することで活動の輪を広げていくため、従業員や地域に向けて生物多様性に関する啓発活動にも取り組んでいます。

森林保全活動「はぐくみの森竜王」

滋賀地区の社有林において、地域の特性を活かした森づくりを進めています。生物多様性保全と環境学習・活動体験を目的に2019年から整備を行っており、2020年に社内公募によって「はぐくみの森竜王」と名づけました。より多様な生き物のすみかとなるよう、里山林の間伐や植樹などの緑地管理を行うとともに、指標種(森や草地、湿地などの環境状態を把握する生物)をモニタリングすることで自然との共生を目指しています。

植樹会

はぐくみの森竜王

指標種調査

猪名川クリーン作戦

兵庫県と大阪府にまたがって流れる猪名川流域で生活や事業を営む住民・企業・行政が協力し合い、流域各所で清掃を行う「猪名川クリーン作戦」に参加しています。この活動は、官民連携で猪名川を多様な生き物がすめる清流にすることを目的としています。2025年2月に開催された「第22回猪名川クリーン作戦」では、ダイハツおよび関係会社の従業員とその家族209名が参加し、地域の方々とともに河川敷のゴミを拾い集めました。参加者からは「地道な活動こそが大切。これからも参加したい」など活動継続の大切さを伝える声が聞かれました。

池田地区の参加者

多田地区の参加者

貴重種の保全

条件付特定外来生物(アメリカザリガニ)の防除

2015年から、国内事業所の敷地と隣接地における生物調査を実施したところ、多種の生物の生息が明らかになっています。そのうち、環境省および事業所が位置する自治体が作成するレッドリストに記載されている絶滅危惧種や希少種も数多く生息しています。大切な生き物を守るため、また、より多様な生き物たちのすみかとなるよう、専門家のアドバイスを受けながら事業所で実施できる保全活動を行っています。
滋賀地区の「はぐくみの森ビオトープエリア」では、ミナミメダカ(環境省:準絶滅危惧種Ⅱ類)やネアカヨシヤンマ(環境省:準絶滅危惧種)、シラン(環境省:準絶滅危惧種)などの生息を確認しており、これら希少種を含む生態系の維持保全のため、2023年より条件付特定外来生物の防除を実施しています。また、西宮部品センターでは、「イヌタヌキモ(環境省:準絶滅危惧)」を保全しています。

琵琶湖博物館での環境学習会

水族展示再生支援寄付に対していただいた感謝状

滋賀県立琵琶湖博物館の協力のもと、ダイハツの従業員とその家族を対象に、環境学習会を毎年開催しています。これは、自然共生社会に向けての環境マインド醸成と人材育成の推進、そして未来を担う子どもたちの環境教育に貢献することを目的としています。ダイハツは寄付活動を通して自然豊かな琵琶湖の保全に協力しており、琵琶湖博物館からもこの取組みへの支援の申し入れをいただき、協働でさまざまなプログラムを実施しています。
また、琵琶湖博物館が行った、トンネル水槽再生や新ビワコ大ナマズ水槽設置などの水族展示再生支援寄付にも協力しました。


ダイハツでは、生物多様性の保全・回復に向けて、本社(池田)工場や京都(大山崎)工場などの主要な拠点において、地元の自治体や市民団体の方々と連携・協力しながらさまざまな活動を推進しています。

江原川清掃活動 【本社(池田)工場】

工場敷地内を流れる江原川の清掃作業 工場敷地内を流れる江原川の清掃作業

本社(池田)工場の敷地内に流入している準用河川江原川において、地元の池田市と連携して「江原川清掃活動」を実施しています。江原川には、オイカワ、ドジョウ、モズクガニなどの生物の生息が確認されており、豊かな自然環境が工場内に存在しています。この活動は上流からのゴミを取り除き、江原川に生息する生物の保全が目的です。今後もこうした取組みを通して、地域の生態系保護に貢献していきます。

準用河川:市町村が管理する河川

森林保全活動 「植樹会」【本社(池田)工場】

はぐくみの森 池田植樹会

本社・池田地区の森林保全活動として、「各サイトの従業員が2020年に事業所内の種を拾い、育て、2025年に植樹する」という活動を行ってきました。これに基づき、2025年5月22日、国際生物多様性の日に合わせて「植樹会」を実施しました。従業員の環境マインドの醸成と同時に、地域の生態系の再生に貢献することができました。

ヒメボタルの保護活動【京都(大山崎)工場】

ヒメボタルが飛ぶ森

京都(大山崎)工場に程近い淀川河川公園および桂川流域には、野生のヒメボタル(17都道府県がレッドデータに指定)が生息しています。ダイハツは、ヒメボタル保護のため、淀川河川公園内竹林公園では繁茂する竹を伐採し、チップにして森林に敷き詰める活動を行いました。また、桂川流域では、ヒメボタルが生息できる豊かな自然を維持するため、地域の方々とともにクリーンアップ活動に参加しました。

エドヒガンの保護活動【多田エンジニアリングセンター】

多田地区では、市の天然記念物である「水明台エドヒガン群落」の野生種の桜「エドヒガン」の種を社内で発芽させて育苗しています。この苗木が成長したため、植樹会を開催しました。エドヒガン群落は川西市の天然記念物であり、兵庫県レッドデータブックBランクに指定されています。また、川西市でエドヒガンの保護活動を行っている自然保護団体「渓のサクラを守る会」の樹林保全活動にも参加しているほか、活動地で行われる、川西市内の小学校の環境学習授業にも参加し、子どもたちに自然の大切さを伝える活動もしています。

セイタカアワダチソウの駆除活動【西宮部品センター】

西宮部品センターでは、敷地内に生息する特定外来種セイタカアワダチソウの駆除活動を行っています。外来種の繁殖は生物多様性の劣化(既存種の生態系の破壊)を引き起こすことから、外来種駆除により地域の生態系保護に貢献します。2024年度は約3,000本を駆除しました。

「WEB環境フェア2024」環境ブース出展【九州開発センター】

ダイハツの展示ブース

九州開発センターは、福岡県久留米市が市民へ環境に配慮した生活を始めるきっかけを提供するために地元企業や環境団体と協力して開催している「WEB環境フェア2024」に出展しました。展示コーナーではダイハツの環境への取組み紹介や、環境クイズなどを行い、2日間で253名が来場しました。


ダイハツでは、行政・地域の企業・活動団体などさまざまな主体と連携し、自然共生社会の実現に向けた活動を推進しています。ダイハツのこうした活動は、生物多様性保全と普及啓発への貢献が認められ、各方面から評価をいただいています。

「生物多様性びわ湖ネットワーク」のトンボ保護活動

ダイハツをはじめ滋賀県に拠点を持つ企業5社で構成される「生物多様性びわ湖ネットワーク」(以下、BBN)は、滋賀県で生物多様性保全を推進するつながりで、連携によるメリットを高めながら継続的な保全活動に取り組んでいます。
2016年より、共通の取組みとして「トンボ100 大作戦~滋賀のトンボを救え!~」と題したプロジェクトを行っており、県内で確認されている100 種のトンボを指標とした生物多様性保全活動を展開しています。本プロジェクトでは「滋賀県のトンボ100 種を探そう!」「滋賀県のトンボを守ろう!」「みんなに知らせよう!」の3つの作戦を掲げ、各企業の持つ緑地や湿地、 池の管理や定期的なモニタリング、周辺地域の自然の現状把握、ビオトープの整備や外来生物の駆除、自然観察会や活動の展示・発表などに取り組んできました。2024年度は、新たに1種のトンボを確認した(合計89種)ほか、トンボを守る108のアクションを実施しました。また、トンボ調査会や観察会、学会発表や博物館展示を通じて、延べ50,950人に活動をPRしました。
滋賀県有数のトンボ類が生息している滋賀(竜王)工場「はぐくみの森ビオトープエリア、里山エリア」では日本トンボ学会より保全技術研鑽の場として、見学の依頼を受けました。当日は、日本トンボ学会会員および生物多様性びわ湖ネットワークメンバーとさまざまな意見交換や指導を受けるなど、交流を深めました。
今後もダイハツは、BBNで主要な役割を果たし、地域への社会貢献活動を通じて、生物多様性の保全および持続可能な社会の実現を目指していきます。

旭化成株式会社、旭化成住工株式会社、積水樹脂株式会社、株式会社ダイフクおよびダイハツの5社

滋賀県希望が丘文化公園で専門家を交えてハッチョウトンボの生息・保全候補地調査を実施

湿地を掘り下げ、ネアカヨシヤンマなどの生息環境を保全 湿地を掘り下げ、ネアカヨシヤンマなどの生息環境を保全

受賞・認定・認証歴

2019年3月 しが生物多様性取組認証2018(2021年継続認証)
滋賀(竜王)工場は、滋賀県から「平成30年度 しが生物多様性取組認証」3つ星(最高ランク)に認証されました。滋賀(竜王)工場が、かねて行ってきた里山林の間伐や植樹、適度な草刈りなどの緑地管理と現在取り組んでいるさまざまな生物多様性保全活動への取組みについて、滋賀県から生物多様性に取り組む事業者として認められました。
2019年11月 生物多様性アクション大賞2019 審査委員賞
滋賀(竜王)工場は、2018年から「生物多様性びわ湖ネットワーク」に参加し、滋賀県の生物多様性保全に寄与する活動に取り組んでいます。「生物多様性びわ湖ネットワーク」は、滋賀に位置する企業7社(受賞当時)が連携し、県内100種のトンボに関して「トンボ100大作戦~滋賀のトンボを救え!~」として3つの作戦からさまざまな連携の輪を広げながら、地域の生物多様性保全に貢献する団体です。
2019年12月 おおさか環境賞 大賞受賞
「明確な取組みの方向性や枠組み」「地域の多様な主体との協働」「地域の密着した保全や啓発」に評価をいただきました。
2021年3月 日本自然保護大賞2021
滋賀県に拠点を持つ企業7社(受賞当時)の連携による「生物多様性びわ湖ネットワーク」では、100種のトンボを指標とした生物多様性保全活動を展開しています。その取組みが「日本自然保護大賞2021」教育普及部門で大賞を受賞しました。

サステナビリティの取組み

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循環型社会の構築

自然共生社会の構築

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