INTERVIEW 03
前職ではシステムエンジニア(SE)として約15年にわたって、携帯電話のファームウェアからWindowsアプリケーションなど、さまざまなシステムのソフトウェア開発を行ってきました。後半の7年間に担当していたのは車載ソフトウェアの開発です。エアコンECUやバッテリーマネジメントユニットといった部品の車載ソフトウェア開発を担当しました。車載のソフトウェア開発ではプロジェクトリーダーとしてお客様(自動車メーカー、部品メーカー)との折衝や管理業務を行う一方、自分自身でもC言語やモデルベースによる開発を手がけました。
あるメーカーに常駐で勤務していた時に、社員の方々が自社の製品に深い愛着をもって製品開発している姿を見て、いつかは自分も自社製品を開発してみたいと思うようになったことが転職のきっかけです。前職でのキャリアの後半は車載ソフトウェアの開発をしていたこともあり、その経験を活かして働けるメーカーを志望して転職活動を開始し、その中でダイハツ工業に出会いました。正直なところ、自分がこれまで培ってきたスキルが本当に通用するのか不安や迷いもありました。それでも製品開発をしてみたい、エンジニアとして車両全体を意識した開発設計ができるようになりたい、という強い思いから入社を決意しました。
現在はチームリーダーとしてエアコンECUの開発業務に携わっており、基本設計から制御仕様書の作成、ソフトウェアの実装とテスト、実車でのシステムテストまで幅広い業務を担当しています。開発シナリオの作成といった構想段階の業務も初めて任されました。自分が行う一つ一つの選択や決断が、数年先の製品仕様に反映されるという、非常に重い責任を感じる一方で、大きなやりがいもあります。「良品廉価」というテーマのもと、ECUの回路素子1つ1つを見つめなおし、品質・性能を落とさずに、可能な限り部品のコストを下げるという取り組みは、ダイハツ工業に転職しなければ決して経験することができなかったと思います。
エアコンECUのソフトウェア開発を経験していたことから、前職の知識やノウハウをそのまま活かすことができ、ある程度スムーズに仕事に慣れることができました。ただ、それはECU開発としては、ほんの一部分に過ぎません。ミドルウェア、ハードウェア、さらにはエアコンパネルの筐体も含めて自分たちの責任範囲となったことで、一気に視野が広がりました。チーム単位の仕事なので、メンバー同士協力しながら同じゴールを目指すという点では前職も今も共通しています。適材適所で仕事を分担し、チームとしてのパフォーマンスを最大限に高めることがリーダーとして自分が果たすべき役割だと感じています。
自動車の電動化が急ピッチで求められるなか、ダイハツ工業もその流れを見据えた開発を進めなければなりません。まだまだ電池コストが高く、大容量電池の搭載がすぐには難しい状況です。だからこそダイハツ車のように小さく、人々の生活に寄り添うクルマの電動化が求められていると思います。私は学生時代に環境問題に取り組める仕事がしたいと考えていました。いま、カーボンニュートラルを実現すべく、より効率の優れた空調システムの開発に取り組めることに、喜びを感じています。これからも環境負荷の低い自動車の普及が進むように、1円でも安く、少しでもお客様に喜ばれるような製品開発にチャレンジしていきます。
私が転職したのは38歳の時でした。転職のタイミングとしては遅い方だと思いますが、いま振り返ると行動を起こしてよかったと感じています。将来、子供に自信をもって自分の仕事を語れるように、よりチャレンジングで自分自身が成長できる環境を選択してダイハツ工業への入社を決めました。この会社には優秀な技術者が多く、とても追いつけそうにない雲の上のような存在の方々に出会い刺激を受けました。必ず技術者として大きく成長する機会を手にできますので、ぜひチャレンジしてみてください。