
アスリートたちが日ごろの成果を出し切り、勝利の証として手にする金、銀、銅の表彰メダル。
年に一度開催される「DAIHATSU日本障がい者バドミントン選手権大会」の表彰メダルは、選手たちから「こんなメダル、他で見たことない!」 「毎年デザインが楽しみ!」と声が上がる、特別なメダルなんです。
その理由は、“つなぐ”と“つむぐ”に込められたストーリーにあります……
モノづくりの力で届ける、世界にひとつの表彰メダル
「DAIHATSU日本障がい者バドミントン選手権大会」。
国内の障がい者バドミントン大会の中でも、最大級の規模を誇る全国大会です。

ダイハツ工業は本大会への協賛だけでなく、選手の皆さんへ応援の気持ちを込めて、オリジナルの表彰メダルの制作をしています(2018年第4回大会~)。

左から今井大湧選手、藤原大輔選手、梶原大暉選手
このオリジナルの表彰メダル、なにが特別なのかというと……
ストラップ制作:大会が開催される地域の伝統工芸品を扱う工房
メダル制作:株式会社ダイハツメタル
ストラップ&メダルデザイン:ダイハツ工業 デザイン部 プロジェクト推進:営業開発部

企業と地域がそれぞれのモノづくりの力を結集させてつくる、この大会でしか手に入らないメダルなのです。
地域とつながる、伝統のストラップ
表彰メダルを彩るストラップは、開催地の伝統工芸を使って制作されます。
地域に根付いた技術を守る工房が、1本1本丁寧に手づくりしています。
歴代の表彰メダルがこちら。

2018年:福岡県 久留米絣(風のおくりもの)
2019年:千葉県 萬祝染(鴨川萬祝染 鈴染)
2020年:滋賀県 手織真田紐(幸道庵)
2022年:福岡県 久留米絣(下川織物)
2023年:東京都 新江戸染(丸久商店)
2024年:静岡県 浜松注染(武藤染工)
※2021年はコロナで大会が中止
2023年大会では、東京都での開催にちなんで、江戸の染色文化を今に伝える「丸久商店」さんが参加。手仕事の美しさと地域の誇りが詰まったストラップが完成しました。
ちなみに、こうした工房との出会いは、ダイハツ工業の担当者が地道に電話をかけてお願いするところから始まるそうです。
技術だけでなく、「共に選手を応援したい」という想いもつなぐ大切なプロセスですね!
技術とつながる、鋳造のメダル
メダルそのものは、鋳造技術(金属を溶かして型に流し込む技術)でダイハツのモノづくりを支えている、株式会社ダイハツメタルが制作。ダイハツ工業のグループ企業で、ダイハツ車向けエンジン部品やシャーシ部品などの金属加工品を製造・供給しています。


人が直接手にするモノをつくるのは、これが初めての試み。
それでも、パラバドミントンの選手の笑顔のため、試行錯誤を重ねて完成しました!
材料にスズを使用したり、文字やロゴを浮き彫りにしたりと、こだわりがたくさん。
ダイハツメタルの迫力ある鋳造技術や、どのようにメダルがつくられているか、ぜひ動画でご覧ください!
ダイハツメタルでは、「“メタル”が“メダル”をつくるって、冗談みたい!」と社内でも笑いが起きたとか。
そんなちょっとしたご縁も感じながら、グループの絆で完成した高品質なメダル。選手の皆さんに喜んでいただけること、間違いなしですね!
想いをつむぐ、デザインの力
デザインを担当するのは、ダイハツ工業デザイン部。
メダルはバドミントンのシャトル底部のコルクをイメージした、曲線が美しいデザイン。

ストラップは、「DAIHATSU×バドミントン」のロゴマークから赤・青・緑をメインカラーとし、その年の開催地域や伝統技術に合わせたデザインを考えます。

2024年からは、デザイン部のデザイナーが手上げ制で担当する「チャレンジ業務」に。
工房とダイハツメタルのご担当者としっかりコミュニケーションをとり、三位一体で取り組みます。
パラバドミントンの選手たちの日ごろの頑張りの“証”となるべく、想いをつむいでデザインします!


2025年のメダル制作始動!!
2025年12月に開催予定の「DAIHATSU日本障がい者バドミントン選手権大会@長崎」に向けて、すでに準備が進んでいます。
先日、今回ストラップの制作をお願いする長崎県佐世保市にある㈲川口家染工場さんを訪問してきました!

㈲川口家染工場は明治35年創業、120年以上の歴史があります。(ダイハツ工業より先輩!!)
工場を見学させていただき、職人の皆さんの真剣な表情や、染色工程の丁寧さに感銘を受けました。



メダル制作プロジェクト担当者 営業開発部 小林さん
今回、全員で顔を合わせることができ、より一層メンバーの絆が深まりました!これからのメダル制作過程が楽しみです!
メダル制作プロジェクト担当者 営業開発部 小林さん

デザインを担当する デザイン部 大岡さん
実際に作業される姿や作品を見て、手塗りの良さを生かしたデザインにしたいと感じました。この貴重な機会に、とてもワクワクしています!
デザインを担当する デザイン部 大岡さん

㈱ダイハツメタル 永冶さん
私たちも選手の皆さんに感動していただけるメダルを、“心を込めて作りたい”と改めて思いました!
㈱ダイハツメタル 永冶さん
と、皆さん意気込みを新たにされていました。
こうして、新たなつながりが生まれ、想いがつむがれていくんですね。
今年は一体どんな表彰メダルが出来上がるのか。
ぜひ、これからの大会とともに、メダルにも注目してみてください!
つなぐ・つむぐ、その先にある笑顔
大会当日には、ダイハツメタルやストラップを制作した工房が会場で制作工程を紹介。

心を込めて制作したメダルを笑顔で手にする選手たち。
その笑顔を直接見ることができるのは、制作にかかわる皆さんにとって、最高のご褒美ですね!
今回の記事を担当させていただき、メダル制作の背後にある人たちの熱意や地域の伝統を感じ、心が温かくなりました。地域・ダイハツメタル・ダイハツ工業がつながり、つむいだ想いが、選手の皆さんに届きますように……。
以上、インナーコミュニケーションG 岩本がお届けしました!
関連リンク
この記事の登場人物
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株式会社ダイハツメタル
永冶 勇紀
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デザイン部
大岡 早野花
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営業開発部
小林 博美