生産活動における環境負荷物質の管理 / 水資源の管理 / 化学物質・リスク管理

大気汚染防止

ダイハツは、生産活動における環境負荷物質の取り扱いについて、環境取組みプランのほか、各種法規制に則り、適正に管理・低減しています。
工場の排出ガスには、大気汚染防止法により設備ごとに規制値が設けられています。ダイハツは、生産工場からの排出ガスによる大気汚染を防ぐため、ボイラーや暖房機の排出ガスを定期的に測定・監視することで、SOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)の濃度を規制値よりはるかに低いレベルで維持・管理しています。
大気汚染の原因となるVOCの排出については、環境取組みプランのもと、主たる排出工程である塗装工程において、各種排出量削減活動を実施してきました。塗料の塗着効率を向上させるための自動化、ロボット化、静電化や、機器洗浄後のシンナー回収などです。また、VOCを抜本的に削減するため、京都(大山崎)工場、およびダイハツ九州株式会社では、中・上塗塗料の水性化も実施しています。さらに、生産活動で取り扱う化学物質については、法規制などに従って定めた使用禁止物質などの入口管理をしています。

揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds):塗料などに含まれるトルエン、キシレンなどが代表的な物質

規制・基準

本社(池田)工場
  • 大気汚染防止法
  • 大阪府条例
京都(大山崎)工場
  • 大気汚染防止法
  • 京都府条例
滋賀(竜王)工場
  • 大気汚染防止法
  • 滋賀県公害防止条例
ダイハツ九州
大分(中津)工場
  • 大気汚染防止法
  • 大分県条例

環境計量証明事業所(大阪府登録)

ダイハツは、水・大気・土壌中の汚染物質の濃度などを正確に計量し、その結果を公的に証明することのできる「環境計量証明事業所」として大阪府に登録しています。社内の「SDGs・環境推進室(略称:S環)順法チーム」がその役割を担い、当社の企業活動によって発生する各種の排出ガスや、排水の中に含まれる有害物質が法定の基準値を超えないよう、サンプリングと化学分析を行い、各事業所と連携しながら環境異常の未然防止に努めています。また、従業員の健康を守るため、有資格者による作業環境測定も行っています。

主な対象事業所:池田(大阪府)、滋賀、京都、多田(兵庫)、ダイハツ九州(中津)

業務の流れ

水資源の管理

世界の人口増加や気候変動による水需給のひっ迫、あるいは河川などの水質悪化にともなう規制強化など、水資源への対応は企業において非常に重要な課題となっています。ダイハツグループでは、事業活動における水環境への影響を最小化するべく、水の使用量の削減や排水の浄化による還元・再利用など、さまざまな取組みを進めています。

水使用量削減

自動車の製造においては、塗装工程などで水の使用が不可欠です。ダイハツグループでは、車両生産拠点でこの塗装工程を中心に、水使用量の削減活動を推進しています。前処理・電着洗浄工程では、洗浄に使った水を有効に活用するなど、再利用を徹底して使用量削減に努めています。また革新技術のダンボールフィルター式塗装ドライブースを開発・導入し、従来の未着塗料回収方法である水シャワー式(気液混合)回収から、ドライフィルターとすることで水使用量削減も図っています(なお、当該技術は2022年12月に機械振興賞を受賞しています)。このように数々の水使用量削減活動により1995年当初は、1台当たり6㎥だった水使用量が、現在では半分以下となりました。今後もSSC(シンプル・スリム・コンパクト)なクルマづくりをさらに究めて水使用量の最小化を図り、水資源の保全に貢献していきます。 

排水浄化・利用

滋賀(竜王)工場では、琵琶湖の水質を守るため大規模な工場排水の浄化設備である「アクアセンター」を設置し、工場排水をほぼ飲めるレベルまで浄化して放流しています。また、同工場では、構内の排水処理場で浄化した水を湿式集塵機の用水に再利用しています。海外生産拠点があるインドネシア・マレーシアでは、工場排水が下流にある飲料水採取場に影響を及ぼすことのないよう排水に細心の注意を払っています。

滋賀(竜王)工場 第3アクアセンター 滋賀(竜王)工場
第3アクアセンター

アクアセンターで浄化された後の工場排水 アクアセンターで浄化された後の
工場排水

排水基準

工場から放流される排水の基準は、公共河川や下水といった放流場所の違いや各工場の立地する地方自治体で異なっています。ダイハツグループでは、各工場とも国や自治体が定める排水基準を上回る自主基準を設定し、クリーンなレベルまで浄化を行った後に放流しています。

規制・基準

本社(池田)工場
  • 水質汚濁防止法
  • 池田市協定
京都(大山崎)工場
  • 下水道法施行令
  • 大山崎町公共下水道条例
滋賀(竜王)工場
  • 水質汚濁防止法
  • 滋賀県条例
  • 竜王町公害防止協定書

化学物質

ダイハツでは、自動車をはじめとする製品とその生産工程で使用される資材中の化学物質管理を推進しています。購入部品中に含有する化学物質や、工場で購入する資材中の化学物質を管理、データベース化しさまざまな法規対応ができるよう入口管理を実施しています。また、管理ツールは、IMDS(International Material Data System:自動車業界向け材料データシステム)等を使用しています。

対象法規化管法※1
  • 違反なし・罰金なし
    (各事業所が国に期限内に届出していることを確認している)
  • 社内の環境標準DEM※2 ②-5、DEM⑥-31にて管理
対象法規化審法※3
  • 違反なし・罰金なし
    (化審法・第1種特定化学物質 施行前に非含有の部品に切替終了済)
  • 社内の環境標準DEM⑥-26にて管理

※1 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
※2 DEM:Daihatsu Environmental Manual
※3 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律

環境法規制等に関するリスク管理

ダイハツでは、特に生産活動に関係する環境法規制、条例などの制定、改正等に漏れなく対応するため、社内全組織においてISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を構築、運用しています。
例えば、設備導入における環境保全やエネルギー削減の事前検討(計画段階)、導入確認検査(稼働前)、社内定期監査(稼働中)を業務の仕組みに組み込み、確実にEMSのPDCAを回しています。ISO14001は、1998年京都(大山崎)工場からその運用を開始しており、2017年からは上述のように社内全組織で認証を取得し、運用しています。
その結果、2021年度は、環境事故、異常、苦情および法令違反は発生していません。本活動は今後も継続維持、向上させていきます。
ダイハツグループとしても、すべての事業所でISO14001を認証取得しており、EMSに基づいた日常管理の中で、環境異常、苦情および法令違反の防止に努めています。

サステナビリティの取組み

ダイハツのサステナビリティ

環境

基本的な考え方

環境マネジメント

低炭素型社会の構築

循環型社会の構築

自然共生社会の構築

車種別環境情報 一覧表

社会

ガバナンス

レポート