特集3:ケアを必要とされる方の社会との共生を支援

ケアに関わる背景

日本における要介護・要支援認定者は2014年度において586万人とされ、その数は10年前に比べ1.5倍以上となり、これからも増加が予想されています(※) 。また、(一社)日本自動車工業会の調査によると、介護を必要とする人をサポートする上で多くの人が車を必要としています。

ダイハツの考え

たくさんの人に生き生きと外出いただくために

「くらしの真ん中でクルマを考える」。この当社グループのコンセプトは福祉車両においても同じです。「何か特別なもの」ではなく、生き生きとした暮らしを送りたいという願いを叶える手段として、福祉車両でお役に立ちたい。四半世紀にわたって福祉車両を製造・販売してきた当社グループの変わらぬ想いです。

福祉車両のエントリーカー『ムーヴ フロントシートリフト』(昇降シート車)

<開発の現場から>ムーヴ フロントシートリフト福祉車両を「特別」ではなく「身近」なものに

■暮らしに優しい、思いやりをカタチに

当社の福祉車両には、電動でシートが回転し低い位置まで下がることで乗り降りがしやすい「昇降シート車」と、ゆるやかなスロープから電動ウィンチを使って車いすのまま乗車できる「車いす移動車」があります。「昇降シート車」である『ムーヴ フロントシートリフト』は、簡単な操作で、足腰に不安を感じる方々の無理のない乗り降りをサポートします。また、思いきった低価格を実現するなど、暮らしに優しい、思いやりをカタチにした福祉車両のエントリーカーです。

『ムーヴ フロントシートリフト』の特長

■お客様の想いをカタチに

当社ではタントで軽自動車初となる大開口のミラクルオープンドアなど、お客様の想いをカタチにするクルマづくりを目指してきました。『ムーヴ フロントシートリフト』では、「福祉車両は高価」といったお客様のご不満に対し、昇降ユニット構造にさらなる改良を加えることで、旧型車では標準車(税込)に対して約30万円あった価格差を、現行車では14万円以下にまで抑えました。また、利用される方から多かった、「雨の日は濡れるので昇降時間を短く」というご要望に応え、これまでの26秒(※)から16秒(※)にまで昇降時間を短縮しました。その他、福祉車両にも衝突回避支援システム『スマートアシストⅡ』を積極的に採用するなど、安全面での優しさも追求しています。

※当社が定めた条件下での値

【開発担当者からの声】
より多くの方々に福祉車両を身近なものに

ダイハツ工業(株)
営業本部 特装車両室 課長
大和 誠歩

高齢者や介助を必要とされる方に、外出をより身近なものに感じていただきたい。『ムーヴ フロントシートリフト』はそういった当社福祉車両のエントリーカーとして、誰でも使いやすく、群を抜く低価格を追求することはもちろん、お客様に新型車を早くお届けするため、量産時期の早期化にも取り組みました。各種評価日程を細かく見直すことや、早期に部品製作に着手するなど、当社および仕入先様の強い想いと連携により、これまで標準車から2ヵ月以上遅れていた福祉車両の発売時期を、2014年12月のフルモデルチェンジでは、当社で初めて標準車と同時期にすることができました。これからも福祉車両を特別なものでなく、身近なものとしてお選びいただけるように取り組んでいきます。

どなたでも入りやすい『フレンドシップショップ』

<販売の現場から>フレンドシップショップ/出張授業 地域の皆様に寄り添い真のバリアフリー社会実現を目指す

■『フレンドシップショップ』の拡大

当社グループでは、一部の改装不可能な狭小店舗を除き、全国にある販売店舗を『フレンドシップショップ』とする目標を立てています(2015年12月末現在168店舗)。また2015年12月末時点で全国販売会社の営業・サービススタッフ等約5,700名が福祉車輌取扱士の資格を取得しており、さらに資格者を拡げていきます。

当社グループは、『フレンドシップショップ』を特別な店ではなく、お客様に寄り添い、お客様のニーズに合ったクルマをご提案できる店として位置付け、取組みを進めています。

ダイハツ『フレンドシップショップ』の認定基準

【販売会社からの声】
お客様一人ひとりにあったご提案を

福祉車両をお求めになるお客様にとって、これからの生活を左右する重要な買い物であるだけに、お客様の状況、ご要望をしっかりとお聞きし、最適なクルマをご提案できるよう、信頼関係を作ることを大切にしています。そのために、お客様のご質問に的確に答えられるよう、商品や優遇税制の知識の向上にも常に取り組んでいます。

天気の良い日には使用シーンがよくわかるように、屋外で福祉車両の展示をしていますので、ぜひお店に見にきてください。

大阪ダイハツ販売(株) 岸和田店 髙牟礼 直広

福祉車両『タントスローパー』の展示

バリアフリー社会実現のための「出張授業」

■学校での継続的な教育支援

近年、多くの施設において、エレベーターやスロープの設置などハード面でのバリアフリー対応は充実してきています。一方でソフト面においては、周囲の方々のご理解・ご協力が必要であるという認識のもと、滋賀ダイハツ販売(株)では、小学校から高校まで学校に社員が訪問し、テーマに沿って分かりやすく解説する「出張授業」を2011年から継続的に実施しています。

高齢化社会や福祉を取り巻く環境・課題といった内容の授業だけでなく、当社の福祉車両を実際に体験することで、高齢者やケアが必要な方に、クルマが果たす役割を考えてもらっています。

このような取組みを継続していくことで、地域の皆様が優しい気持ちで支えあい、生き生きとした毎日をお過ごしいただける、真のバリアフリー社会の実現を目指していきます。

出張授業の様子

福祉車両の体験

誰もが快適な乗り降りを創造『NORIORI(ノリオリ)』(第44回東京モーターショー参考出品)

■福祉の現場から見える「もっと軽にできること」をカタチに

長きにわたり、福祉車両をご提供してきた中、さまざまなお客様の使用シーンに立ち会い、ご意見・ご要望を伺い、従来の改造レベルではできない「もっと軽にできること」があると考えました。

そして今回、ケアを必要とされている方が快適に乗り降りできるクルマが、どんな人にとっても一番快適で使いやすいのではないかというコンセプトのもと、まったく新しいカタチのクルマ『NORIORI(ノリオリ)』を2015年の東京モーターショーに出品しました。超低床フロアと2ウェイアクセス大開口ドア、リヤフロアリフト(※)、サイドスロープを備え、ベビーカーから車いすまで幅広い用途で乗り降りのしやすさを追求し、近未来のマルチユースコミューターとして提案しました。

※ 後部からの乗り降りを容易にするための昇降機

■『NORIORI(ノリオリ)』

外観

超低床フロア

2ウェイアクセス大開口ドア

車いす2台が収納可能

【企画担当者からの声】
いくつになっても笑顔で外出を楽しんでいただきたい

ダイハツ工業(株)
国内商品部 戦略企画グループ
クリエイトチーム 主査
横田 忠雄

「くらしの真ん中でクルマを考える」という想いのもと、誰にでも乗りやすく、使い勝手のいい「生活の道具」としての軽が、特別なものでなくなっていくことを願い、この『NORIORI』を出品しました。『NORIORI』はリアにフロアリフトを装備し、簡単に車いすを固定して乗車することが可能です。また、助手席位置にも車いすを固定し、運転する人と同じ目線で楽しみ会話することができます。

いくつになっても、家族と一緒に外出を楽しんでいただける。そんな日の実現の一助になればと考えています。

TOPICS:「IAUDアウォード2015」で金賞を受賞

当社は、2015年の「IAUDアウォード」において、「商品と販売体制造りの両面で福祉車両を普及促進する取り組み」で、事業戦略部門の金賞を受賞しました。

当社グループは、軽随一の福祉車両のラインナップと『フレンドシップショップ』の知識豊富なスタッフによる販売体制や誰にでも入りやすい店づくりなどを推進し、今後も社会に貢献していきます。

※ IAUDアウォードとは、一般財団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)が、“一人でも多くの人が快適で暮らしやすい社会の実現”に向けて、特に顕著な活動の実践や提案を行なっている団体・個人を表彰する賞です。